尾張旭市にて、平成8年竣工=築18年になる輸入住宅の玄関ドアのメンテナンス・補修を行いました。
このブログで同じような工事をご覧になったお客様からのインターネットからのご依頼です。
状況としては、
?ドアが下に擦って開けられない。
?ドアの下部やドア枠が水腐れしている。
今までのケースにも共通なのは、お客様が「今まで何度も塗装し、愛着もあるので、メンテナンスをして使い続けたいと思ってます」との思いがあること。
私もこの一言の意味は良く分かります。
下部水切りとのクリアランスはほとんど無しで、相当の力を入れないと開けられませんでした。仕方なくもうひとつある裏のドアから出入りしているとのこと。
工事初日ドア枠のふかふかする部分を押してみると、弱い力で穴が空いてしまいました。まずは、弱っている場所を掻き出してパテを入れる準備をします。出来るだけ、悪い部分は取り除くようにします。
その間にドアを建具屋に外してもらい、擦っているドアの下部を1cm位カット。カット寸法は現場にもよりますが、今回はカットしたドア下端にボトムウェザーストリップと言ってゴムの緩衝材のようなパーツを取り付ける為、その分の取り付けしろを意識してカットします。
この緩衝材を付けることで、床タイルの水をドアが吸い上げることが無くなり、且つタイルとドアの隙間を埋めるパッキンの役割をします。ドアが擦らないようにドアとタイルの縁を切りながら、隙間風も防止します。
ボトムウェザーストリップを取り付け、ドアの水腐れ部分にパテを充填しました。今回はドア取り外し後、即補修して戻すので硬化スピードの早いエポキシパテを使いました。2液混合後、4分で硬化し、24時間後には研磨や塗装可能です。
硬化後の肉やせもほとんど無く、硬化後は耐水性・耐候性に優れるので、このような工事には向いています。ホームセンターでも気の利いた所には置いてあります。
パテを入れたドア枠。
大きな穴の場合は全てパテで充填すると量的に非常に多くのパテを要すので、バックアップとして木片を入れ込んで、それからその周辺をパテで埋めることにしました。
写真では少し荒っぽい入れ方ですが、1週間後に研磨整形の予定なのでこれくらいで十分です。
今回、パテは2種類を用意しました。即日硬化するエポキシ2液性に変わり無いですが、この容器入りパテは今回が初めてです。違いは硬化スピードと値段。これは90g入っていて上述のパテの3倍量がありますが硬化スピードは4分から40分に伸びます。
ホームセンター価格で値段は両方共1セット700円位。
ということは4分速乾の方は3倍高いということ。
小さい容積をすぐ仕上げたい時は4分速乾を、容積が大きく充填に手こずると思ったら、40分硬化型の方が施工性はいいでしょう。(ゝ。∂)
ちなみに今回の施工では4分速乾を1.5セット、40分速乾を1セット
(計135g)使いました。
少しマニアックな話になってすいません。(^_^;)
外側のケーシンの下部にも少しづつ傷みが始まる兆候がありましたので、ここを変性シリコンでコーティングしました。変性シリコンなら後で塗装が可能です。ただし、塗りつぶしの場合であって、これが透明仕上げの場合は絶対に塗ってはなりません。色が弾いて木目に色が入って行かなくなります。
今回は既にドアが塗りつぶしなので、塗りつぶしでの仕上げになるので構いません。
さて、エポキシパテ充填部分の加工が可能な1週間が経ちました。
1週間前に充填した箇所はカチカチです。ペーパーで表面の凸凹を滑かにして行きます。面倒でもペーパーが目詰まりしたらまめに交換します。
余談ですが、この時に薄くていいのでグローブや軍手を付けましょう。
私は付けずに削ってたらドアの樹脂板のエッジ部分に指を当て、小さく怪我をしてしまいました。結構なスピードで上下しますので、うっかりすると思わぬところで怪我をします。(*^_^*)
ついつい仕上がりを素手で確かめたいので装着しないのですが。
ここからは塗装職人の出番です。
充填補修部分を含め、ドア・枠全体を全て塗装して仕上がりです。
既設の色が家全体のバランス的に少し薄い気がしたので、今回はもう少し濃い色目をお薦めさせて頂きました。
仕上がりました。
この度の輸入玄関ドアはまめに手入れがされていることもあり、ドアの表面の状態は良く、部分補修と塗り替えのみで済みました。
約2日の工事です。
状況によって対処も異なりますので、気になる方はご相談下さい。
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