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2024.6.3

輸入住宅リフォーム成功の秘訣と魅力を解説~築28年②煙突編

煙突補修工事の調査報告と対策について

 

1. 調査のきっかけと初期観察

お客様から煙突の状態が気になるとの依頼を受け、現地調査を行いました。下から見上げると、煙突の上部が非常に汚れており、外壁の角部分が剥がれているのが確認できました。拡大写真でさらに詳しく観察すると、問題の原因が明確になりました。

 

 

 

2. 設置の問題とその影響

通常、煙突のキャップは外壁よりも出っ張っている必要がありますが、この家では外壁に取り付けた幕板がキャップよりも出っ張っていました。その結果、雨水が幕板に溜まりやすくなり、水が壁の中に浸透する可能性が高まります。この状況が続くと、外壁が黒ずんだり、苔が生えたりしてしまう原因になります。

また、外壁の塗膜が劣化すると、さらに深刻なダメージを受ける恐れがあります。

 

 

3. 冬季のリスクと必要な対策

冬には、湿った外壁部分が凍結し、膨張によって壁が内側から剥がれる「爆裂」の原因になります。これを防ぐためにも、雨水を早期に排出する仕組みを整えることが重要です。

煙突キャップと外壁の幕板の設置を見直し、専門業者による適切な補修が必要です。これにより、建物の耐久性を保ち、雨漏りや凍結による損傷を防ぐことができます。

 

 


 

煙突補修工事の見積り経過とその根拠

最初は、煙突の上部だけを部分補修する見積もりを作成し、足場を組んで状況を確認しながら、必要に応じて工事範囲を広げるという提案をしました。この方法なら費用を抑えることができます。

しかし、契約段階では煙突の外壁全体を新しい外壁に取り替える見積もりに変更しました。理由は以下の通りです。

 

1. 事前調査の結果

事前調査で、煙突の状態がかなり悪いことが分かりました。そのため、部分補修ではなく全面的な補修が必要と判断しました。

 

2. 美観の向上

現在の煙突の外壁にお客様が満足していないこと、そして家全体の外壁を塗り替える予定であることから、せっかくなら煙突も新しい外壁に合わせて一新したいというご希望がありました。

これらの理由から、最初から新しい外壁に似合うデザインを選び、工事を進めることにしました。

 


 

煙突補修工事の経過

 

1.煙突外壁の解体

足場を設置した後、真っ先に煙突の状態を調べに行きました。

手で触って確認したところ、驚いたことに幕板は落ちる寸前の状態で、簡単に手だけで剥がれてしまいました。

 

 

 

外壁の中にも水が侵入していたため、外壁を固定する胴縁が写真のようにかなり傷んでいました。

やはり工事前の調査で判明したように、煙突上部の収まりが水を受けてしまう構造になっているため、外壁の裏側に水が廻っていたと思われます。

写真で黒く見えるのはフェルトと言って防水の役割をする紙ですが、この紙が躯体内に水を入れないように防いでいたので、最悪の事態は免れました。

 

この状態をお客様に報告するとかなり驚いていらっしゃいました。

見積通り、外壁を張り替える段取りに移ります。

 

2.煙突外壁材の張替え

 

デザイン上、煙突の上部にモールディングが欲しいため、輸入モールディングFYPON社の中から適切なものを選んで取り付けました。

 

 

 

3.幕板の塗装

コーキングを打って形状的には仕上がりました。

この時点で幕板の色について、お客様と外部から家を眺めながら相談し、板金と同じダークブラウンで塗装することにしました。

 

 

煙突トップ板金も新しく作り替えて、幕板よりも飛び出る大きさにして、水切りが良くなるよう改良しました。

当初より本来はこのような形状でなければいけません。

 

 

4.完成

(この時点で玄関ドアも外壁の色も変わってます)

 

屋根の色・コーナーストーンの色・外壁の色等のバランスを考え、お薦めの候補の中から時間をかけて決めました。

今回は煙突が良く建物に馴染んでいると思います。

 

お客様が長年、気になっていた煙突部の外壁に関して、これで不安が解消したと共に美観上も向上しました。

 

 

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