コロナ感染症もきっかけになり、在宅時間を今まで以上に有意義に過ごしたい。
そのような機運から趣味の部屋やホームオフィスを家に作られる方が増えています。
本日は実例③のお話をします。
こちらも、プランの最初からこの部屋のお話がありました。(やはり、作りたい人は最初からプラスワンの部屋が夢の中に入ってます!)
「シアタールームと、スタジオと、本やCDレコードのコレクションを収める棚が壁面いっぱいに欲しい」と夢がいっぱい詰まったお話から始まりました。
部屋の広さは6畳です。この中でどれだけのことが出来るか?!
やりたい事が多く、部屋の制約やコストの事もありますが、
こちらのお客様も音楽をやられる方で、この話を聞いたときに、まず私の方がウキウキしてしまいました。
新しく入れる家具は、ソファー位です。その他必要なデスクや棚は建築時に全て造り付けました。
通常、これだけの収納力を造作棚で作ろうと思うと、相当の金額になってしまいます。
良く大工が現場で作れば安く出来る!と簡単に言う営業や設計が居ますが、一理ありますが、それは規模が小さい場合です。
今回は建具屋に工場で作ってもらい、それを現場で組付ける方法を選択しました。
これ結構監督やってたら悩むところ。
一定量を超えた場合は、現場大工での加工だとデメリットも生じると私は考えています。
結果、今回は建具屋に作ってもらい正解でした!
●建具屋に相談し、材料にラワンランバーコアを採用。
ラワンは表面が少しざらざらしています。気にならなければ棚として強度の問題はありません。
●カット面に化粧材を貼らずに断面を見せる。
断面もかえってワイルドで格好いいです、と施主の意見もあり採用。
●施主自身に塗装をしてもらう
最後はノエルハウス得意の奥の手(笑)。自らの汗がお金になるという、作ることが楽しめる人には最高の手段です。
一緒に建具屋の工房に行って、カット済の材料を、私も一緒になってひたすら塗りました。
私にも忘れられない良い思い出です。
施主さんにも普段は入れない建築の製造現場に足を踏み入れて、作業をされたのはなかなか貴重な経験だったのではないでしょうか?
持っていらっしゃる音楽機材の寸法などを聞いて、デスクの奥行きを決め、棚もCDやLP、本のサイズに合わせて、様々な寸法の棚を作り、とにかく壁面に無駄がないよう使い切る設計になっています。
結果的に本棚の中にドアがくりぬいてあるような面白い感覚が生まれました。
窓が無い事も相まってまるで『本の洞窟』のようです。
照明スイッチも本棚の中に埋め込んで、スイッチの部分の為にムダな壁が残らない工夫も。
お客様のご協力もあって、ここまで無駄の無い棚が出来たと思います。
ご自分の持っていらっしゃるコレクション、CD・LP・本など様々なサイズが気持ち良く収まるように、自ら棚の寸法を指定して頂けました。
ここまで指定してくれたので、設計しやすかったと言うのがあります。
ご自分の趣味の部屋作りに熱意があればあるほど拘った指定をして頂けるのですが、
受ける側も答えるのが大変とは言え、だからこそ、互いに目的に合ったものにまっしぐらに進めます!
お陰で、この家にも素敵な『大人の秘密基地』が出来ました。