本日は、無垢の木材を使ったフローリングを取り上げます。
家を建てるときに床材に関してこだわる方は多いかと思います。
人は五感で感じる生き物です。
視覚は目から。
そして、触覚は何と言っても手が1番活躍していて、手で触れるものから感じることが身の回りには多いかと思います。
しかし、靴を脱ぐ日本人にとって、家での生活の中で足裏で無意識に感じている部分も少なくありません。
手で家に触れることも多いですが、常時、人が家と接している部分と言うと足が触れている「床」ですよねー。だから床は建築にとってとても大切な部分と考えてます。
無垢の木材を使った家に住んだ人には分かると思いますが、無垢フローリングの場合、特有の香り(嗅覚)を感じる部分もあります。
さて、ここでまず、「フローリング」という言葉について少し整理したいと思います。
フローリングと言うのは、英語でFlooring(床)。英語圏で使われる広い意味では、床材全般を指します。
タイルや石、カーペット、ビニールや塩ビシート、コルク、そういった様々な素材も含めて、床に使えばフローリングになるわけです。
ただ、日本ではフローリングと言う時は、もう少し範囲を狭めて、木質系フローリングのことをフローリングとして使っていることが一般的です。
作る立場からになりますが、職種で言うと大工さんが施工する床材を「フローリング」と言ってもいいと思います。
因みに「タイルや石」を張るのは左官屋さんまたは専門のタイル石張り職人。
「ビニールや塩ビシート、コルクタイル、カーペット」を施工するのは一般的には内装屋さんです。
一言で床仕上げと言っても素材によって扱う業者がこれだけ変わって来ます。
前置きが長くなりましたが、日本で使う場合のフローリングに話を戻しますね。
フローリングには大きく分けて、構造で2種類あります。
表面も中も一枚の天然木でできている無垢フローリング。
もう一つは、合板の表層に化粧板を貼った複合フローリング。
ついでに整理しておくと、
2番目の複合フローリングにもいろいろあって、大きく分けると3種類ほどあります。
表層にどれだけ本物の木を使っているか、その割合によって変わってきます。
①挽板フローリング
表層に、厚み2㎜〜3㎜の無垢単板=挽き板を使用し、より無垢に近い質感を出したもの。下地には直交する下地用木材、または合板を使用しており、無垢に比べて収縮•膨張が起こりにくい構造です。
②突板フローリング
表層に、天然木を薄くスライスして皮状にしたもの=突板(厚み0.3〜0.6㎜)を圧着しているもの。
突板を表層に貼る仕上げは、一般的な家具から高級な家具、また楽器にも多く使われている手法です。
③シート張りフローリング
表層に木目が印刷されたシートを貼っているもの。(これは仕上げは本物の木になりません)化粧された合板と言う感じで、最も木質感が少ないものになります。
材料コスト的には本物の木をどれだけ使っているか、で並べればだいたい正解です。
つまり、
(※木の種類グレードによっては順番が入れ変わることもあります。)
複合フローリングの中で一番無垢感があるのは①挽板となり、②突板と比べて全く違う質感のものとなります。
私は、床に使う天然木のフローリングと言ったら、無垢のフローリングか、複合フローリングなら挽板フローリングまでを自然素材の良さが感じられる「天然木のフローリング」と考えています。
実際、弊社で施工する家の場合、全体のコストバランスを考え、1階のメインルームを無垢フローリング、2階を挽板フローリングをご提案させていただくことが多いです。
今日は天然木フローリングを話す上で、まずフローリングを整理してみました。
次回は天然木フローリングの特徴、付き合い方をお話したいと思います。