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2023.7.15

自然素材の使い方~第4回 漆喰(しっくい)その2

こんばんは!

名古屋尾張の蒸し暑い夏がやってきました。今も暗くなってまだ外は30℃!

 

コンセプトハウスに使っている自然素材について語る、今日はレッドシダーから始まり4回目です。

 

2回目の珪藻土は湿気を吐いたり吸ったりする調湿効果があると説明しました。

きっとこの蒸し暑さにも一役買ってくれているはずです。

 

左官で作る壁には見た目だけでは分からない色々な性能があり、それが面白いと思う竹本です。

 

 

今日は漆喰の壁を使って17年経た私の感想や実感をお伝えしますね~!

 

 

それを話す前に、まず、ここで一般的に言われる漆喰の特徴と効果に関して羅列してみます。

 


 

漆喰(しっくい)は、主に壁や天井の左官・塗装材料として使用される伝統的な建材です。漆喰は、石灰や石灰岩などの天然素材を主成分としており、水と混ぜてペースト状になったものを塗布して使用します。

 

1.調湿効果

 漆喰は、微細な穴が無数に存在し、この穴が湿気を吸収し放湿する性質を持っています。湿度の変化によって湿気を吸収し、室内の湿度を調節します。このため、室内の湿度を一定に保つことができ、気密性の高い空間で発生しがちな結露やカビを抑え快適な居住空間を作ることができます。

 

2.VOCフリー・浄化作用

 漆喰は、天然素材で作られているので、シックハウスの原因物質であるVOC(揮発性有機化合物)を一切含んでおりません。さらに、シックハウスの一番の原因であるホルムアルデヒドを吸着分解する性能もあり、室内の空気を浄化する効果があります。

 

3.防カビ・抗菌効果

 漆喰は強アルカリ性であり、カビや細菌の繁殖を抑制する強い殺菌効果があります。特に、湿度の高い場所や水回りなどでの利用において、カビの発生を防ぐ効果があります。

 鳥インフルエンザなどの発生時に、 テレビ等で消毒のために白い粉を撒いているのを見たことがあると思いますが、あれはまさに漆喰の原料である消石灰です。

 

4.防火性

現在の火災による死亡原因の多くは、火災の際に出る有毒ガスに起因しています。漆喰は不燃材料なので燃えませんし、有毒なガスも一切出しません。 漆喰を塗ることで、万が一の火災時の被害を大きく低減させることができます。

 

5.高い耐久性

 漆喰は、長期間の使用においても変色や劣化しにくい耐久性を持っています。また、修繕や補修が比較的容易であり、メンテナンスの手間を軽減する効果もあります。

 

以上が、漆喰の代表的な効果です。

※一部、(一社)日本左官業組合連合会編集 「しっくいまるわかり大辞典」を参考にさせて頂いております。

 


 

さて、では、実際に漆喰を使ってみた感想を述べたいと思います。

 

【お風呂】

 

お風呂ではタイルを1メートル60センチ位まで張り、そこから上を漆喰にしました。

 

 

’お風呂に漆喰’とは少し冒険だったのですが、当時、同じように、新築のお風呂の壁を漆喰で塗っている工務店の仲間がいて、実は、オープンハウスで見たその施工例に結構影響されました(笑)

確かその家はタイルも貼らずに、床から天井まで一面が漆喰だったように思います。

 
(因みにその工務店は左官職人が作った工務店で、先代の漆喰をメインにした伝統工法を今に引き継いで作り続けてます。左官では最も信頼を置ける会社で、わが家コンセプトハウスの左官タイル施工もここにお願いしました。)

 

 

 

さすがに全面漆喰には勇気がいったので、うちの場合は、普段シャワーなどでよく濡れやすい1メートル60センチあたりまではタイルにしたわけです。

 

当時、左官屋さんに本当に蔵のように大変平滑に綺麗に仕上げて頂きました。

 

 

17年経た今ですが、もともと外壁にも使える漆喰だけあって、耐水性には現在何の問題もありません。

ヘアクラックが2カ所ほど入っていて、落下したりする心配はありませんが、見た目は少しだけ気になると言えばなります。

しかし、漆喰は、このくらいはクラックが入るもの。そう思えば、さほど気になりません。

 

 

お風呂には湿気が多いので、漆喰の表面が湿ってカビが生えそうな気がしますが、写真の通り、17年間経ってもきれいです。

 

 

ただ、実はこれにはストーリーがあって、作ってから7~8年の頃でしょうか?

ポツポツと黒カビが所々に発生しました。

 

「あれ!?漆喰は強アルカリ性だから、防カビ抗菌性に優れているんじゃなかったっけ?」

調べると、漆喰は施工時は確かに強アルカリ性ですが、施工後、年々中性に近づいていくみたいです。

施工から4~5年も経つと、漆喰が他と比べ特別に防カビ抗菌性が高いとも言えなくなってしまうようです。

 

知らなかった~!

 

しばらく、その黒カビを見ながらお風呂に入るという時期が続いたのですが・・・・。

 

しかし、妻がある物を使って掃除したら、それ以降全く黒カビを見なくなりました。

それがこれ。

 

アルコール

 

 

さらに、その2年後ぐらいからは写真のような銀イオンの入った「防カビくん煙剤」を定期的に現在まで使用しているとのこと。

これのお陰でタイルの目地なども汚れにくくなりました。

 

 

漆喰に対してもこの防カビくん煙剤が効いているのか、アルコールが効いているのか?分かりませんが、いずれにしても、この方法によって漆喰は今でも綺麗なままです。

 

これは余談になりますが、実はお風呂の天井に当時こだわってレッドシダーが使ってあります。

 

当時お風呂の天井と言えば、バスリブ(樹脂製のパネル)と決まっていました。

会社員時代、工事監督をやりながら、どうもあれには味気無さを感じていまして、それに対する反抗心です(笑)

 

人のおうちでは冒険なので、これも自宅で実験したものの1つです。

 

建築当時の写真

 

レッドシダーには、香りがあって、特に、湿気を帯びると落ち着いたウッディーな香りが漂うので、お風呂の天井に使えばお風呂に入っているときに、森林浴のような気分が味わえると言うアイデアでした。

 

そう思い表面に敢えてクリアを塗らず、無塗装のまま使いました。

 

これは、失敗でした。

 

 

最初はそれも楽しめたのですが、やはり天井部分には湿気が溜まるので、次第に黒カビが生えるようになりました。

これをなんとか取りたいと、何年も思っているんですが、なかなか踏み切れません。

いい感じの温泉などに行っても時々、天井や壁の木部がこんな感じに黒っぽくなっている所がありますね。あの感じです。

 

こちらは、さすがに自然塗料系のオイル塗装ぐらいやっておくべきでした(#^^#) 

やってみて分かった事のうちの一つです。

 

オスモカラー(ドイツ)のウッドワックス クリアーをきっと今なら塗ります

 

話は天井に少しずれましたが、壁の漆喰に関してまとめると

 

●「耐水性」「耐久性」に関しては、満足している。

期待した防カビ・抗菌性に関しては、私の知識不足で、一時期黒カビが気になりました。しかし、良い清掃剤を見つけ美観を保つことが出来ている。

●漆喰独特の職人がコテで押さえたつるっとした質感は多少クラックが入っているものの、やはり手作りの良さを感じ、上品で美しい。

 

そんな感じです。


 

さて、次に漆喰を使ったところ

【トイレ】

に関してお話します

 

・・・と思いましたが、また長くなりましたので、次回に回したいと思います。

 

左官という仕事には思い入れが強いのか、どうしても語り切れません(笑)

どうぞ興味のある方は次回もお付き合いください。

 

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