1996年竣工、築25年になる輸入住宅のリフォームを行っています。
今年は比較的大規模なリフォームを手掛ける機会が多いです。
今回の工事、外部は屋根と外壁・防水等、内部は和室やキッチン。
またそれ以外に、排水管の状態が以前より悪かったので、排水管の見直し・入替を行ないました。
内容は多岐に及ぶため、合計2か月以上かけた工事です。
10月の頭から内部のリフォームを開始、 11月に入って外部のリフォームを現在行っている最中です。
建物は2階部分にハーフティンバーを模した付柱や付梁をあしらい、1階をブリックタイル貼りにした英国のいわゆるチューダー様式。
当時かなりこだわったと思われるデザインのお家です。
ただ25年経った今、外部をチェックするとかなり痛みが目立って来ていました。
当時大変よく使われたカラーベストコロニアルはところどころ表面が剥げて落ちており、基材が、露われていました。
このような状態になる手前で表面の塗装を施して厚い膜を作っていれば耐久性が維持できたのですが。
この状態ですと撥水性もかなり落ちており、材料自体の劣化が早く進行してしまいます。
お客様のご要望は、「外壁の耐用年数と同じぐらい屋根ももたないとリフォームする意味がない。」
確かにそう思います。屋根が先に傷んでしまうと結局外壁の足場も必要になります。
お客様とお話をし屋根は新しいものに葺き替えることにしました。
今回も新しく葺く材料はグラスファイバーシングルです。
弊社では定番:新築リフォーム共に採用している屋根材です。
軽くて、防水性が高く、色落ち、劣化が少ない、柔軟性加工性にも優れておりデザイン性の高い屋根材にもフィットします。
次に外壁ですが、
当初こだわって付けられたチューダー様式を再現したハーフティンバー(付け梁・付け柱)が、残念ですが25年の時間を経てかなり劣化していました。
今回これにどのように対応するかということが最初の提案テーマでした。
お客様から尋ねられ私が提案したのは、「思い切ってこの木材を取り払って、新しいデザインにリニューアルしませんか?」というご提案でした。
ただ、安易にそれを提案して取り外す事ができなかった場合、また、外した後の外壁の状態が悪いと、思ったようなデザインに変えることが困難になります。
そこで(少し大胆ですが)私は目立たないところで一部付け柱の取り外しを試みて、どのような構造になっているかを調査しました。
調べた結果、少し取り外すのにコツは要りそうでしたが、外した後の外壁のダメージは想定内で、タッチアップ等行えば違ったデザインに持っていけると思いました。
少し冒険ですが、リフォームの場合は過去にあった人の施工方法がわかりかねるので、こうやって部分的に調べて現状をできるだけ掴むことが、施工開始後のブレを減らすことになります。
ご提案させていただいたのがこのようなデザインです。
1f部分のブリックタイルはもちろんそのまま残し、撥水剤を吹き付けて撥水性を高め、吸水を少なくし耐久性を維持します。
使う色の種類も整理し、屋根や手すりをブラックで引き締め、ぬりかべ部分を落ち着いたベージュトーン。
窓が白いのでその白さを生かし幕板やポーチ柱、軒先ラインや樋のラインは白で合わせスッキリと爽やかさを出しています。
このようなデザインにリフォームすることをお客様に承諾いただき、お見積もりご契約後、工事を始めました。
私がこのような工事をするときに心がけているのは、古くなり傷んできたものを取り替え、今後お家にかけるメンテナンスを少しでも楽にし安心して暮らしてもらうこと。
それに加え新しいデザインを取り入れ、新たな気持ちで暮らしていただくこと。
住んでから20年~30年も経つと住む方の環境もかなり新築当初から変わってきています。
ライフスタイルや大切にしているものの価値観も変わってきているはずです。リフォームする際にはただ古いものを直すという観点以外に、新しい生活をより気持ちよく豊かにスタートする、その第二の人生を支える空間や家の外観になる。
そんな事を心がけて取り組んでいます。
現在は職人により本格的に外部工事を進めています。
ハーフティンバーを撤去することが実際にやってみると想定外に大変でした!
またハーフティンバーの周りに打ってあったコーキングが仕上がりに影響することが懸念されたので、できるかぎりこそぎ落としました。刻々と変わる現場を見つめ、必要なら内容を修正しながら、ベストなゴールを目指して進めております!
あと10日ほどで外壁も仕上がり、その他もろもろの工事の後、12月の頭には終了する予定をしております。
内部工事も含め今後続けてご紹介していきますね。
お楽しみに…
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