2018年が今日で終わろうとしています。
静かな事務所で今年最後のブログを書いています。まだ、やる事は沢山ありますが、欲張らないことにします(笑)。12月中旬に仕事が一区切りして、例年よりはまだ余裕があると思いましたが、いえいえ、何だかだ言って溜まってたことが沢山あって、それをひとつひとつ片付けているうちに、大晦日になってしまいました。
昨日、スマホに入っている写真をさ~と何気なく見ながら、1年を振り返っていました。
「あっという間の1年」と言いますが、よくよく見返せば、色々と仕事をしたなぁと感慨深いものがあります。
終わって見れば短い1年のようで、でもしっかり長かった気もします。1年前の出来事がすごく前の事のようにも感じます。それだけ、濃い1年だったと言えるのかも….。
とにもかくにも、こうやって何とか無事健康で1年を終えることが出来る。1年を振り返り、また来年16期めに思いを巡らせることが出来る、この環境が自分に与えられていることだけで有難いと思わなければいけません。
今年は岐阜の新築基礎工事から始まり、5月に1件、8月に1件の新築を、12月にはほぼ新築といえる大規模改築した家をお引渡しさせて頂きました。
2件は出会いから1年半を経て完成した注文住宅です。こうやって見ると、この2件、デザインの志向的には対照的な感じがしますが、いずれもノエルハウスから生まれたものです。ただ、そこには共通した「らしさ」があると信じています。
今でも忘れないことがあります。
ある最も信頼していて才能ある建築の仲間に以前私の完成した家を案内したことがある。
その時に「竹本さんがやった現場って竹本さんらしさが出てるよね~」と言われた事があり、(彼は他界しているのだけれど)その言葉が今でも自分の建築とは何か?と考えるときに思い出されます。
その時はたぶんいい意味で言ってくれたと記憶してますが、それって何なんだろう?と思って。
作るプロセスは見ていない彼だが、完成された物を見て何か感じるものがあったのか?
ただ、思うのはそれは流行やスタイルの違い、トラディショナルかモダンか?などの違いを言ったわけでは無いのではないかと。
作る人の作る時の思い、プロセスが良かれ悪かれ出来たものに現れてくるのだと思います。
私の作る家の「らしさ」が具体的にどこにあるのか、は分かりません。
それ以降そのような事をはっきり言われる人は居ませんが、そういうものが自然に出せてこそ本物だし、私に依頼してくださる方にもそれが出せなければ意味がない。他に頼んでも同じものになるのであれば、意味がない。
話が飛んでしまいますが、私が趣味でやっている音楽でも先日エンジニアさんから聞いたお話でプロのシンガーとして一番大切なのはワンフレーズ聞いたら、「ああ、〇〇ね!」とすぐに誰だか分かることだそうです。
基本的なことが出来ているのが大前提ですが、そこにさらに「らしさ」が自然と滲み出てくるような建築を過程を大事にして作っていきたいです。
デザインやライフスタイルなどのカタチはお客様が求めるもの。そこに対しては一緒になって、私たちも出来るだけ引き出しを増やして提案をさせて頂きたい。そこはもっと勉強して、懐を大きくしていく必要があると思っています。料理で言ったらレシピの数を増やすみたいに・・・。
でもそれと同時に忘れてなならないのは、自分たちのアイデンティティーや「なぜ、この仕事をしているのか」とか「何を自分たちが与えられるのか」「何が一番大切なのか」という事。
でないと、何でも屋みたいになってしまう。そこそこ色々入っている幕の内弁当。
経験を積んでくると幕の内弁当になりがちです。もちろん美味しい幕の内弁当を作ることがまず第一だと思います。
でもそれだけに甘んじていると「どっかで見たアレ」になってしまう。
目先のものにとらわれて、足を踏み外すことだってあります。
「変わらない為に変わり続ける」と言う言葉があります。
変化の大きい世の中にあって「変わらないもの」を胸の奥で意識している、そのことがとても大事だと、この1~2年を通じて感じます。
仕事の大きい、小さい。スタイルが何風か。新築かリフォームか。
どんな仕事をしても、自分がやることの「らしさ」が出せるように、それがお客様にとっても「やってよかった」という満足感につながるように。困ったときにこそお役に立てる存在であるように。
状況に関係なく、ぶれずに変わらず対応できるチカラ、そういう強さを付けて行きたい。
今年、色々な経験をして来て、今感じることとと決意を込めて、1年を締めくくらせて頂きます。
1年、ありがとうございました!来年もよろしくお願いいたします。