現場吹付断熱材の工事が先日終わっているので、確認に行って来た。吹付断熱工事を自分の現場で行うこと自体が久しぶりであったし、「アイシネン」という現場吹付発泡断熱の先駆け的メーカーの工事なので、実はかなり興味津々だった。
私の印象から言う。
まず、最初玄関ドアを開けて中に入った印象
「静かだ」と思った。
ここの北側の道路は近くにトヨタ系の工場が多く、トラックをはじめ車がよく通る。聞こえなくなる訳ではないが、耳障りな音が軽減されて、空気の質が変わる。
一瞬にして「室内に入った」という雰囲気になる。
窓の性能もあるだろう。もちろん輸入ペアガラスサッシュの気密性も貢献しているだろう。
建物の遮音性や断熱性というのは、やるからにはある程度どの建築部位に関しても徹底して(同じレベルで)やる必要がある。
何かひとつだけ突出して高性能でも、何かが欠けていると何の意味もない。そういう意味でこの窓と断熱材の組み合わせは何とも頼もしい組み合わせだと実感した。
遮音のことを書きすぎてしまったが、断熱、気密に関しては、現在の状況ではまだまだ検証しがたい段階だ。
換気扇の穴などが沢山空いているので何とも判断しずらい。
もちろん外から入ると、これだけ寒い時期には、暖かい、と感じるが。
暑い寒いという感じ方は人によって本当に差が大きいので、単純なひとりの印象で話すのは良くない。
数値で、或いは比較でしっかり検証すべきだろう。
ただ、写真にもあるように、天井を貼ったら隠れてしまう部分の配線の貫通口に生じる細かい隙間、また間柱の間の細い隙間などにもみっちりと断熱材が吹き込まれているのを見ると、感覚的には「気密が上がるだろうなぁ」と感じざるを得ない。
このあたりはロール状のグラスウールなどの繊維系断熱材では出来ないことだ。
ご覧の通り、M様邸はリビング吹き抜け、階段吹き抜け、勾配天井など、一空間に対し上部への容積が大きい。
こういう空間は上下に温度差が生じて空気の対流が起きやすく断熱気密性の如何で居住性がものすごく変わるので、完成した時にこの度の施工によりどのくらいの効果があるか、が非常に楽しみだ。
リビング吹き抜け勾配天井部分
1年を通しこの屋根の外部側の環境
カンカン照りの真夏の太陽=「暑い」⇔頬を刺すような北風「寒い」がどんなものかを想像してみる。(私の家も勾配天井なのでリアルにイメージ出来る(#^.^#)
小屋裏がワンクッションあるのと違いダイレクトに室内側に外部の温度変化が伝わるわけなので、この部分はかなり重要な部位になる。
現場発泡断熱のいいところはロフト部屋が有る無いに関わらず屋根面全てに吹付ること。
家全体をすっぽりと断熱層で覆うことが出来ます。
最近、NHKで飛騨白川の合掌造りの取材番組があったけど、あれも厚い茅葺きの屋根自体が断熱性が高いと聞く。
だから、あの屋根の下の空間はすっぽりと断熱層に覆われて暖かいと・・・。
屋根材自体が断熱効果もあって、かつ雨をしのげ、しかも自然素材!茅葺きは究極の屋根かもしれませんが・・。
そうとはいかなくても、目指すところはそのような屋根から断熱された室内ではないでしょうか?