この日を迎えるまで、我々施工者も気を使い、体力を使い、大変な日が続きました。でも一番大変だったのはお客さまに違いありません。私たちが施工として携わるよりずっと前から、土地や設計やお金のこと・・、様々なシーンを経てこの日があります。
作る物もかかる資金も期間も大きく、つくづく家づくりは本当に大変だな、と毎回家を作る度に思います。
何事もスムーズに行くことはまず有り得ません。
でもそれを乗り越えた最後に笑顔で家を受け取ってもらえること・・。私が仕事を通じ喜びを感じる瞬間はここにあります。この瞬間の為に半年家を作ってると言ってもいいでしょう。
逆にこれが無いと、とてもさみしい感じです。
苦労が報われるかどうかはこの日を慌ただしくも、とても晴れ晴れしい前向きな気持ちで施主と迎えられるか?に尽きます。
今日は、10:00から新居でスタンバイし、来る家具を壁に固定する仕事をしました。地震で倒れないように・・。
事前に構造を調べて、材料の用意をしてきたのですが、据付位置が思いと違う方向からになり、またもや現場で少し慌てました。・・が、すぐに下地位置を割り出し、固定できました。
新しい、家具に穴をいきなり開けるので、その位置にはかなり緊張しましたが、こういうことをするうちにだんだん度胸がついてきました。夏限定の私のダイビングと同じだ。何事もそこに身をおいて、迫られないと人の成長はない。(ちょっと大げさ(笑)ですか?!)
結局、家具の固定に行ったつもりが、1日居ることに・・・。
持ち込みの洗濯機の排水の方向が違うので、お客さんと一緒に直したり・・・、持ち込み照明がうまく付かず、下地を探し留めたり・・。色々、やるべきことは起きる。
でも、1日、立ち会って良かったと思う。
これだけ大きい物を半年かかって作ったあとにそうそう簡単に手を離れるわけにはいかないと思うから。
お客さんが住み始め、徐々に徐々に生活する器に変わってくとだと思う。きっと使いこなし、本当の家らしくなるにはまだ少し時間がかるだろう。だから、私もしばらくは今まで通り気にかけ、見守って行きたいと思う。
また、お客さんからも今後住んでみた生の感想を聞いてみたい。
S様、長い間、ありがとうございました。
これからが本当の長いお付きあいの始まりです。
最後に初めて一緒に写真を撮って頂きました。