外部に木製ドアを使った家。先日行った塗装を今日はご紹介します。
まず、現状を把握します。
判断としては大きくふたつ「取り替える」か、または「手入れをして使い続ける」か?
ドア自体が歪んで、建て付けをし直しても調整が不可能なほど悪い場合は、ドアの交換をお勧めします。框組が緩んだものを修正するのはなかなか難しいです。それは簡単に言うとドア自体が平行四辺形になっていること。
長年のドア自体の重みで緩んできているものなので、癖がついていて、容易には戻りません。
一方そうでもなくてまだ使えそうならば、木が劣化進行しにくいように表面に保護塗料を塗ります。
今回は後者。
まず最初に、表面の悪くなった塗膜をサンドペーパーで削り落とします。
(木片にペーパーを巻きつけて平らな面を作りながら削ります。)
作業自体は難しいものでは無いですが一番必要なものは根気です。
時間さえあればできるので、今回は私が塗装屋さんに先行してこの作業を行いました。
ただここで注意しないといけないのが、塗膜がドア全てにおいて弱くなっているかどうか?
よくあるのはドアの下半分は弱くなっていても、ドアの上部のほうは雨に濡れないため、結構しっかりとした塗膜が付いている場合があります。この場合は逆に表面を削り取ることがかなり大変です。
ある意味全体的に劣化していた方が作業自体は楽です。
それを最初に把握してお客様には説明させていただいています。
またある程度色むらが生じることも了解いただきます。
これが塗装できる段階まで削り落としたところ。完全に白木が露出するほど削る事は不可能ですが、このぐらい削ってあれば、着色したときには問題がないです。
写真では手でペーパーを使っていますが、細かいところは手で行い、大きな面は電動サンダーで削っています。
どこまで削れば良いか基準は経験による判断になります。
ここまでするのに、そうですね…大体1時間位かかったでしょうか。
ポイントとして、少し面倒でも、作業がしやすいようにとって金物類は外しておきます。
これも金物の取り外し手順を把握してないとできませんので、もしご自分でやられる場合は説明書などを見てちゃんと元に戻せるように勉強しておいてくださいね。
(戻せなくなって施錠ができなくなったりすると大変です)
ポイントとして、少し面倒でも、作業がしやすいようにとって金物類は外しておきます。
これも金物の取り外し手順を把握してないとできませんので、もしご自分でやられる場合は説明書などを見てちゃんと元に戻せるように勉強しておいてくださいね。
(戻せなくなって施錠ができなくなったりすると大変です)
今回使う塗料は「サドリン クラシック」と言うオランダ製の塗料。オランダには他にもシッケンズなどがあります。
木部保護塗料に関しては、海外の方が機能性や歴史が先行しているように思います。他にドイツのオスモカラーもよく使います。塗ったところはかなり濃い色に見えますが、大抵外部にさらされてきた木はこのぐらい塗料を吸い込みますので、このような色になります。色ムラになりにくいようにするためには、やや濃いめの色を選んだ方が失敗が少ないでしょう。
最後にこの日は鍵を取り付けて施錠がしっかりできるように確認の上、現場を引き上げ、明日の塗装屋さんに引き継ぎます。
この日のうちに撮った写真をスマホで職人さんに送って状況を伝えておきます。
写真を見て「なかなかいい色になってるじゃないですか」と職人さんに言われ少し嬉しかったです。(笑)
しかも一流の職人さんに言われたので。。。。そんなことないです、しっかりペーパーを当てていればこんな感じに誰でもなりますよ!
ほんと塗装は根気よくやるしかないです。それと出来上がりを少しでも楽しむのも飽きないコツですね!
そういう意味で言うと時間に追われギリギリでは良い仕事はできないと感じます。
次の日職人さんが来て、ドア全体を仕上げて、夕方「できましたよ」と写真を送ってくれました。
はい、なかなかシックに仕上がりました。
この風合いは、使い続けた木にしか出せない味。
木が塗料のオイルを吸って生き生きと生き返った感じ。
これこそが、使い続ける本当のアンティーク!
築20年以上経ったおうちですが、このドアもこうやって直せばまだまだ現役です。
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