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2019.7.22

掃き出し窓(スライディングパティオドア) の網戸のロック

建付けが悪くなった、鍵がかかりにくい、重いなどは長く住んだ後に「掃き出し窓」で時折聞かれる症状です。
その中で、結構地味な存在ですが、網戸の鍵があります。
輸入の掃き出し(スライディングパティオドア) では本体に鍵がかかるのはもちろん、網戸にも鍵がかかります。
鍵と言っても中からレバーを動かして戸先へ引っ掛けることで外から開かないようにする単純な構造ですが、
これにはそれなりのメリットもあり、それは後程話すとして・・・。

今年春にさせていただいた工事で、この鍵が壊れているので取り替えて欲しいと言う話がありました。
ただ困ったのはメーカーが今は既になく、問い合わせをする代理店も日本にない事でした。
実はこういう時に頼りになる会社が 1つありまして、私がわからない場合でも現場の情報をできるだけ伝えることで、近い建材をアメリカから直で取り寄せられる可能性が残っています。
前は知らないメーカー、廃盤品があるとギブアップしていましたが、今はとりあえずそこへ情報を送って可能性を探ります。

部品のサイズはもちろん写真、スケッチなどできるだけ多くの情報取り揃えてリサーチして貰います。
今回もそうすることで近いサイズのものを見つけてきてもらいました。
輸入手続きをして 1ヵ月位で入ってくるのですが、実は入ってくるまで100%うまくいくと言う自信はありません。
今でも代理店などを通じたサポートや情報共有がある場合は別ですが、既にメーカーがなくてパーツだけを取り寄せる場合は、お客様にもそのリスクは説明させていただいております。

 

私が情報送った後に資料が送られてきて、「このようなイラストのものに近いでしょうか?」と言うような確認が先方から来ます。
さすがに20年以上も経っていれば、少し角が丸くなるなどデザインの変更はあるのですが、大事な部分の寸法や作りは変わっていないように思いました。後は「よし!エイヤっ!」とこの商品にかけて思い切って手配をします。

あと、余談ですが、海外のこういう時の部品イラストがとても分かり易かったりします。
IKEAの家具を組み立てた時も思いましたが、言語が分からなくても絵でマニュアルを伝える、これが非常に長けていると感じます。

今まで時間をかけて取り寄せた部品が使えなかったこともないわけではありませんが、経験上大抵(90%以上は) 何とかなることが多く、困っているお客様にとっては他では絶対できないことで、喜んでいただけます。
世の中には少しリスクがあると、その時点で扱わない、手を出さないところも多いと思いますが、そのリスクを知ってもらった上でベストを尽くすならば、トライする価値があると思ってます。
今までも窓を取り替えなければいけないような状況と思われて諦めていたのを、部品の交換で使い続けることができたケースがあり、諦めなくて相談して良かったと言ってもらいました。

現在付いている物を取り外します。

バラバラにするとこんな感じ。まぁなんてことない構造です。
右側の金属のバーが上下して、戸先のU字型フックにかかりますよ~、と言ったシンプルな作り。

パッケージの裏にはこんなイラストが書いてあります。網戸にまつわるいろいろな消耗品や部品が書いてあります。
多分このパーツシリーズで網戸のことが色々と解消するのではないかと思います。

メーカーと言っても、いろいろなパーツの集合体。金物は金物メーカーから、ガラスはガラスメーカーから入手してそれらをまとめて商品として最終的にビルドアップし、商品名を付けて販売するのが窓メーカーと言うことになる。

また少し話が飛びますが(笑)、キッチンを構成する輸入キャビネットもキッチンメーカーが変わっても丁番や引き出しレールなど金物は同じものを使っていたりします。
なのでメーカーがなくなっても、金物は意外と共通で、 今でも使えたりする。
アメリカって結構そういうところがあるんです。さすが、DIY大国!!

こちらは、戸先側につけるフックが入ったパッケージ。ホームセンターで売っている感じ。
ただこれを見たとき、一瞬ちょっとまずいかなと思いました。思ったよりサイズが大きかったからです。

古いものと新しいものを並べてみるとこんな感じ。
幅も少し大きいですが幅はあまり問題ではありません。出っ張りが大きいことが問題でした。
これだと、網戸の小口に当たってしまい、戸が当たって最後まで閉まらなくなる。

なので、ここは、現場で折り曲げて出っ張りを揃えることにしました。少し違うからあきらめるのではなくて、加工で何とかなるならそのほうがいいです。おそらくいろいろ調べてこれを送ってもらったので、昔のように小さいものがないのかもしれません。
実際今のフックの方が太くて大きめでしっかりしていそうです。

レバーがちゃんとかかり、且つスムーズの上下するようにフックの出や高さを調整するのが苦労しましたがうまくいきました!
以前の角張ったデザインに比べ今回のは角が取れたコロンとした形をしています。

実は地味な存在ですがこの網戸の鍵が結構好評で、何故かと言うと、理由は2つあって、
①1つは外から網戸が開けられないので、防犯対策になる。(網なのでその気になれば簡単に破れますが、それなりに破壊行為が伴うので、少しは犯罪の抑止となる)

②もう一つは風などで勝手に動いたりしないので、気が付いたら蚊やハエが入って来たということが無い。

で、③もう一つ言うと、取手状になっているので、網戸の開け閉めがしやすい、と言うのも聞きます。

昨年輸入の掃き出し窓を日本製に変えたとき、軽くなったと気にいって頂きましたが、今までの習慣から、「網戸の部分だけ何か取っ手がつけられないかな?少し動かしにくくて」とお客様がおっしゃってたのを思い出します。

この掃き出しのメーカーですがMilgardといいます。赤字で書いたのが、もともと付いていた方のサイズ。
このぐらい違っていても取り付けができたと言う記録として残しておく。

この工事の後に、本体のハンドルとロックのほうも調子があまり良くないので交換できないかと言う話を承りました。
これもサイズを細かく調べ、これからリサーチをかけていくことにします。
こういう場合とにかく現場の写真が多ければ多いほど良い。
どれだけ細かく調べたかがキーになるので、じっくり記録します。

毎日使う窓、ドア、小さなことから大きなことまで気になったらご相談下さい。
あらゆる手だてを講じて、あなたの「お助けマン」となります。
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