今回このお家では外壁に通気モルタル工法というものを採用しています。
弊社では今までも何棟か実績があります。
外壁を「塗り」で仕上げたいという場合に特に適しています。
一口で外壁を「塗り」で仕上げるといっても様々ありますが、うちがこだわっているのは外壁に目地がないこと。
一般的な大判の化粧サイディングを貼る場合は建築後に生じる壁の動きを吸収するコーキング目地は不可欠です。
しかし壁全体を塗り壁風に仕上げたい場合に関しては、そういった目地があることは大変人工的に見えてしまうので、
うちとしては出来る限り昔からある伝統的な塗り壁のように、目地がない仕上げにしたいわけです。
そのようなデザインにしたいときに、現在一番良いと思っているのはこの通気層をもったモルタル工法です。
モルタル工法と言うと日本には昔から民家に使われてきたあのモルタルです
ただこれは古めかしいものではなく、最新の技術で改良を加えた通気モルタル工法です。
以前モルタル工法でやったものを何度かリフォームをしましたが、モルタルの一番の弱点は躯体との間に通気が取れないことでした。
特にツーバイフォーの場合は外壁に構造用の合板を貼りますので、気密性が高い分、湿気を逃がすところがありません。
通気を必ず取らないと外壁の合板が湿ってしまい、ひどい場合はそこから腐ってしまう家のケースを見てきました。
その弱点をこの工法により克服し、しかも見た目は左官屋さんが塗った塗り壁の温かみが残る。
モルタルの下地の後はローラーで塗装しても良いし、そこから左官でコテの模様を付けた仕上げにしてもよい。 乾式でタイルを貼ることだってできます。
あくまで下地としてのモルタルなのでその後の仕上げバリエーションは多彩に展開することができ、 弊社のようにお客様の ニーズに合わせて外観も注文で作る場合には相性の良い素材です。
ローラーでフラットに仕上げるとモダンなデザインで建築デザイナーが好むようなシャープな形状にも似合ってきます。
コテで模様をつければフランスの片田舎のような温かみのある外壁や丸みを持った表情をも表現することができます。
続きは次回に。お楽しみに・・・