今回バーカウンターのようなキッチン対面カウンターを作ることがお客様の最初からの夢でした。
この部分に関しては当初よりラフスケッチを書き、お客様と度々意見を交わしながら進めていきました。
そして、色々とアイディアがある中で最終的にまとまったのが、家具屋さんと大工さんとのコラボレーションで作ること。
お客様はここのカウンターテーブルはぶ厚い無垢板を使いたく、色々調べていらっしゃいましたが、なかなか思うようなものに出会わなくて、
打合せの際に「竹本さん、どこかいいところ知りませんか?」とご相談を受けました。
そこで私がお付き合いのあるオリジナル家具を作る各務原市の工房にご案内したところ、ここが作る家具を大変気に入っていただきました。
実は今回このカウンター部分以外に、ダイニングに置くテーブルやソファーも家具屋さんに相談し並行して作っています。
余計な余白を残さず建築にきっちり合わせたお好みの寸法で出来るのが、建築とオーダー家具がコラボする一番のメリットです。
ダイニングテーブルとソファについてもお客様ご自身で探される家具ではどうしても壁との間に余白が出来てしまい、中途半端なサイズ感になっていましたが、ここのオーダー家具屋さんに頼む事で悩みが一気に解決しました!
ソファに貼る生地もご夫婦のイメージに合うものを沢山の色や柄から選んでもらい大満足のご様子。
さて、カウンターですが、
工房にあったブラックウォールナットの板を実際に見て選んで、後日、必要な寸法に加工し気に入ったオイル塗装までしてもらい、それを大工さんが工事している最中に持ち込んでもらうことにしました。
そしてそれを大工さんが作っている腰壁の中にはめ込み建築と一体化させました。
これだけの重みのあるものを壁から持ち出す場合 強度が心配になりますが、壁に完全に挟み込むことに加え特別に作った木のブラケットを後から壁に付けて支えることで強度を出しました。
これらのアイデアも家具屋さんに話を持ち込んだ時に経験から教えてもらったことで、大変ありがたいです。
またずっと悩んでいたお酒を置く棚=ボトルラックに関しても私の方から「それも家具屋さんに作ってもらったらどうでしょうか?」と言う意見を出して最終的にそれに決まりました。
大工さんと家具屋さんを繋ぐための図面や調整にかなり労力を割きましたが、この方法は今回のお客様のイメージを実現するにはベストだったと思います!
そして施工で苦労したのは、ボトルラックの裏側にレンジフードを付けるところ。
通常ならここに建築の壁を作るところですが、ボトルラックがあまり出っ張らずにニッチ風に納めたい為、従来の壁を作らず極薄の下地を仕込んで取り付けました。出来てみると分からない地味な事ですが、過程は難しかったです。
こういうことも一つ一つ施工図を書いて家具屋さんと大工さんの間で行き違いがないよう慎重に確認しました。
その甲斐あってここは我ながら上手く納められました!
腰壁部分にはこれも無垢の羽目板を貼り、塗装を施しビンテージ感を作り上げていきます。