このたび江南市で完成したおうちの内容に関して、ご紹介しています。
今回は1階のトイレの後編です。
それから3ヶ月が経ち・・・・
仕上がりはこんな感じになりました。扉は無しですが、階段の方へ壁を引っ込めてニッチ飾り棚も作りました。
何も考えず図面通り作るなら、壁がそのまま天井に立ち上がり、このような飾り棚は出来なかったと思います。
図面通り作ること自体、間違いではないですが、現場でもうひと工夫加えてこうなるならしたいですよね!?
今思い出すと作り始めのこのトイレについてのやりとりが楽しかったです。誰も作ったことの無い事を想像力と経験を頼りにお客様と考える。
とにかく今回の家づくりでは先入観なくふっと口に出るお客様の発想力が素晴らしかったです。
お陰で、便器の先端が↑これだけ奥に引っ込み、手洗いとの間のスペースが広く取れました。この128ミリは狭いトイレの中にあっては大きいです。
完成後、手洗いを使ってみましたが、全く狭さを感じませんでした!
この壁や収納のやり取りがあったのが、上棟の頃。
これでやる事が決まったので、大工に下地の位置と仕上がりの壁の位置を伝達確認し、安心してスムーズに現場は進みました。段ボールで試作を作った甲斐がありました。
作るのは決まっていれば早いものです。しかし、決まってないと大工は止まったり動いたりと無駄の多い仕事になってしまいます。この無駄がコストアップやモチベーションダウンに影響することは誰にとっても得でなく、一番勿体ないので、起きうることは出来るだけ先回りして決まるよう段取りします。
図面、試作までならコストは小さいですが、職人さんが入ってからの訂正は大変大きいコストになりますから、2歩くらい前を段取りする、それが私の仕事です。
お客様との打合せでは最前線ですが、それが終わると私の仕事は超裏方!(笑)です。物の段取り、人の段取り、ちょっとした細かい作業。。。
裏方に徹して、現場が気持ちよくスムーズに進むこと。時にはガン!と前に出る事もありますが、そうやって最後に思い通りの家がお客様に渡すことが出来るのが一番です。
今回はたまたまここが大工さんが造作で起こす壁で、面積にも影響しない部分だったので移動出来ましたが、原則壁は造作前の建て方時にほとんどできてしまいますので、移動変更は出来ませんので、そこは注意して下さい。
施主様のアイディアも、持ち込み品も多かった今回の工事。
支給される物のセンスがとても良く、『どういう家にしたいのか』がそれを見るだけでもよく分かりました。私たちが知らないようなルートをネット等で色々探し調達されてました。
私やスタッフも支給される物を見て「これ、いいよね!どこから取ったんだろう?」と興味津々でした。
今は家に関する情報もお客様も私たちと同様色々と入手することができる時代です。今回のようにお客様からもアイディアや物を色々とテーブルに出していただき、検討し共同で進めることがこれからの注文の家づくりの方法のひとつになるだろうと私は思います。
私たちも経験や技術がかえって足かせにならないよう、常識にとらわれず常に住まい手・使い手の視点を持ち続けたいです。