おはようございます。
「無垢」と言うのは混じりけが無く、その素材だけでできていると言う意味です。白無垢と言うと真っ白の婚礼衣装ですね。
純粋とか、けがれが無いとかそんな意味も含まれています。
ノエルハウスでは、用途にもよりますができるだけ無垢材や、自然素材を取り入れるようにしています。
その理由は、自然素材は使い続けていくときに生まれる経年変化が楽しめる、また使い続けるほどに愛着が湧いてくるなど自然素材にしか味わえない風合いあるからです。
ただ自然素材や無垢材をあまりに多く使うとコストのかかる家となってしまいます。
洋服で言うと簡単に手に入る化学繊維の大量流通品と比べ、オーガニック素材を人の手で加工する少数生産品とでは当然コスト面で変わってきますよね。
最初にお聞きしている概算予算内にできるだけ収まるように、私たちは打ち合わせをする中でバランスを考えたご提案をするよう努めています。
いくら素材にこだわって使いたいものを使ったとしても、そのしわ寄せが家の見えない所の機能性や快適性に来るのでは本末転倒です。
ですから、仕様を決めていく段階ではお客様はどこを重視しているか?しっかりと耳を傾けながら「ここは必ずこれがしたかった!」と言う所にこそお気に入りの素材を導入し、それ以外のところではデザインのバランスが大きく崩れてない程度にコストを落とした物を使ってバランスをとります。
実はこの作業(VA=バリューエンジニアリング)が設計者や施工管理者の技量で左右されるところだと思っています。
安いから設計も施工も簡単と言う事は無いのです。
安くするところのアイディアこそ、設計施工力が問われるものです。
個人の芸術作品ではなく、お客様からデザイン&施工をプロとして任された以上、いただいた予算を最適化することが1番大事です。
無垢のドアを玄関と廊下からリビングに入るところに2カ所だけ使い、他は国内メーカーの化粧板張りドアを使いました。
無垢のドアと化粧板ドアを比べると約5倍ほどのコストの違いがあります。
(玄関ドアに関しては大きくは差はありません)
また床に関しては、リビングダイニング・玄関ホールには無垢のパイン材を使い、それ以外は複合フローリングを使いました。
(複合フローリングとは合板の上に薄くスライスした板または化粧シートを貼ったフローリング)
材料にもよりますが、無垢と複合フローリングのコストの差は1.5倍〜3倍、高いものでは4倍以上の違いになるものもあります。
またリビングの腰壁に関しては当初商品の段階でヴィンテージ感が良く出ている既製品のパネルを検討しましたが、今回目指すインテリア的にどうしても似合う良いものが見つかりませんでした。
そこで最終的には床と同じパイン材の羽目板を採用し、床の色とのバランスを考えたオスモカラーを2色ブレンドし現場塗装しました。
次回はこの家のVA(バリューエンジニアリング=家の価値を大きく変えずにコストダウンする)の具体例に関してご紹介します。
ではまた!