これから2回に分けてモールディングの世界をご紹介します。
モールディングと言うものをご存知でしょうか?
床近くにある巾木、天井近くの廻り子などは出来上がった家で必ず見ると思います。(最近は廻り子が無い家も多々ありますが)
これは代表的なモールディングの一種です。
建築の装飾アクセントとして使われつつ、建材と建材の間の見切りとしての意味もあったり・・・。
脇役になったり、主役になったり、様々な用途に使われます。
海外のサイトを覗くと様々な形状・大きさなどがあり見ていて楽しく、参考になります。これを適材適所選んで使うのが腕の見せ所です。
さっぱりしたものから濃いめのものまで、その家のスタイルに合わせて選定します。
こればかりは正直最初の設計段階では決めにくく、家が出来上がって来る間にそのスケール感等を感じつつギリギリまで迷って、大工さんのスケジュールに何とか間に合うように決めていきます(笑)
さて、モールディングの素材ですが、木製からMDF、ポリウレタン製など用途によっても様々あり、外部で使えるものもあります。
この家では軒下に大きめのモールディング、窓周りにもモールディングで縁取りをしました。
出来上がってみると当たり前に見えるのですが、窓の上と軒下のモールの間に中途半端な隙間がないのは、構造図の段階から計算してのものです。
ここはひとつのこだわりです。
写真はラップサイディングから出っ張っている玄関ポーチの壁部分です。
トップに軒下のモールと同じものを、下部に別のモールも組み合わせ、コーナーにはサイディングから作った平板を張り白でペイントしました。
モールの面白いのはアイディア1つで自分のオリジナルの組み合わせによる造作デザインができること。
別の現場で考案したこの暖炉のマントルピースはたくさんのモールの組み合わせからできています。
海外のドラマのセットで使われたマントルピースの写真をお客さんから参考に見せて頂き、それをお手本にモールを選びました。
天然の石材との組み合わせでワンランク上のゴージャス感を出しています。
この写真もそのお家のアイディアですが、シューズクロークのフックを留めるベース板。これは何と幅木を天地逆さまに使っています。多分言われなければわからないと思います。
巾木は上の写真の壁の一番下、床との境に使っている白い部分。ルールはありません、自由な発想で使えるのがモールディングの奥深く愉しいところ。
さて、この方法が良いのは、フックを直接止める下地がなくてもこの幅木に対してフックを固定しておいて、その幅木を下地があるところでビス留めすれば良いところ。
今回の江南市の家ではボードが貼れてしまった後にフックがほしいとお客様からのお願いがあったので、この方法で対処することができました。
この場合、ビスの頭が見えてしまうので、白く塗る、キャップするなどの対応が必要ですが、それなりに仕上がります。
板とフックが最初からセットになった商品をつけてるみたいでしょ。
このような商品も売ってますが、出来たら一番使い易い場所に、使い易い高さや数で作りたいですよね?
使う建材も現場で使っている部材なら手に入りやすく、デザインも馴染みやすいです。
多少の追加手間は頂きますが、後から絶対得する工夫のひとつだと思います。
「その1」はここまで。次回をお楽しみに・・・。
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