皆さん、こんにちは。
今回のブログは前回までと少し趣旨を変えて、輸入住宅のリフォームの話をします。
昨年10月から12月にかけて築23年になる住宅の内外リフォームをしていました。
名古屋の住宅地を少し入ったところに立つこのお家。
初めて通りがかった方はまず一度は見上げるだろうと思う独特の外観。
窓廻りや軒裏の装飾、反りかえった屋根が印象的なヴィクトリアン様式の輸入住宅です。
今回はその工事を具体的に取り上げて、改めて分かった事やポイントをご紹介します。
同じようなリフォームを考えている方の参考にしていただければと思います。
まずは外部から「屋根・外壁」に関して2回に分けてご紹介しますね。
今回の工事を振り返り、以下の項目に分けて順にお話ししていきたいと思います。
お客様の N 様とは、もう長いお付き合いになります。
今から13年前(新築後10年の頃)に弊社で屋根と外壁の塗り替え工事をさせていただきました。 3年ほど前には在来の浴室をユニットバスに変えました。
この度のリフォーム工事のきっかけは昨年行った弊社の新築オープンハウスでした。
来ていただいた際に、日本のメーカーのキッチンをご覧になり、キッチンリフォームのご相談をお受けしました。
その後、数か月を経て打ち合わせをさせて頂きました。
そして、今回は屋根と外壁、キッチンも含めた大きなリフォームとなりました。
(キッチンリフォームに関してはまた別のブログでご紹介します。)
屋根は一部めくれかかっていたり、前回の工事から13年が経過するなかで劣化が目立ち始めていました。
外壁もチョーキングを起こし、色褪せもしてきていました。
屋根に関しては 前回リフォーム時(13年前)に 足場組後、屋根の状態を見た際、既設には国産のアスファルトシングル材が葺いてあるのが分かりました。
以前から私は※1.アスファルトシングル(以降シングルで統一)であれば輸入品を使っていましたので、国産のシングルを見た時、その経年変化の違いが顕著でした。
築10年の状態を実際に見ると・・・・私的には
「結構早い段階で国産のシングル材は表面の砂が落ちるんだなぁ」という印象でした。
この段階では未だ葺き替えという 選択肢はなく、 「塗装」によるリフォームを選びました。(シングル専用シーラー下地)
ただ数回の塗装では表面のザラつきを抑えることができず、 合計で5回塗りをしました。
当時、それくらいしなければ砂の剥離を抑えることができませんでした。
それから13年・・・築後23年経った今回は私も施主様とも「屋根の葺き替え」の一択でした。
お客様に聞くと数年前の台風の際に2階のある場所に雨漏れがありました。
また3階(最上階)の天窓からも雨漏れして、クロスや構造材に滲みがありました。
今回の見積もり・工事は、 以下の点に留意して作成・計画しました↓
●屋根勾配が緩いところは 雨仕舞のリスクが高くなるため、 板金で葺く
●同じく勾配が緩い所に設置された天窓に関しては今後のリスクを考え、撤去する
●屋根の葺き替え時に、雨漏りの原因となった部位を把握する
●屋根を葺き替える際に下地の様子がわかるので、できる限り問題の根本原因を突き止めて、今後は雨漏れがなく安心して暮らせるようにする
具体的には、緩勾配屋根にはガルバリウムの立平葺き。
急勾配屋根には輸入シングル=※2.OAKRIDGE SUPERを採用しました。
●野地板が想定以上に各所で傷んでいた。特にドーマー(屋根から飛び出ている壁の部分 =鳩小屋)の曲線状の屋根
屋根足場設置後、屋根面を歩いてみると、フワフワしている箇所がいくつかありました。明らかに野地板が弱くなっているようでした。
●その他、北面の曲面屋根、勾配の緩い部位の野地板も広域に渡り傷んでいた。
●ドーマー壁と屋根の取り合い部分の雨仕舞が悪い。直下の部屋に雨漏れを生じさせていた原因だと思われる。
●建築当初より施工不十分のところがあった ( ルーフィングが施行されていない部分等疑問点を感じる部分があった)
)
この事をお客様にご報告するとショックと共に残念がっていらっしゃいました。
施工した工務店さんは誠実な対応を当時してくださっていたようで、まさかそのような仕事になっているとは思いもしなかったと。
誰でもうっかりとしたミスはあるとは思いますが、どうしてこんなことになったのか私も 職人も少し首をかしげる感じでした。
次回はつづき
についてお話します。